テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第6章 恋愛ビギナー

「1時間ずっとあの場所に立ってたわけ?」

「あ、でも……
そんな長くは感じなかったので……」

「マジで待ってたの!」



もー、この子アホなんじゃないの~~?


そりゃ声かけて下さいって誘ってるようなもんでしょ~~



「ちーちゃん。
変な目で見るやつを自ら増やしてるよ?」


「え!?ど、どうしてですか!?」


「待ち合わせに遅れないようにしようって気持ちは嬉しいけどさ。

あーやって害虫が来た時に、ちゃんと意思を伝える、殺虫剤的な言葉を用意しておかなきゃ」


「……え? えっと……」


「何て言えばいいか分かる~?」



一生懸命頭の中で考える千夏。


信号待ちで止まったタイミングで、俺はその顔を覗き込んだ。



「 “ あたしにはイケメンでかっこいい彼氏がいるので、お断りします ” 」


「…………!」


「はい、今の言ってみて。
レッツ トライ。

お嬢さん、ひとりぃ~?
暇なら俺と遊びましょ~~」



ナンパ役になった俺をじっと見つめると


千夏は大きく息を吸った。




「……あ、あたしには!

イケメンでかっこいい、優しくて素敵なユーリさんがいるので……!」


「…………!!」


「…ダ、ダメ、

なん……です……///」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ