テキストサイズ

恋してキスして抱きしめて

第6章 恋愛ビギナー

「…………」



横断歩道の真ん中でフリーズ。

いや、素直に嬉しいんだけどさ……



「……ちーちゃん、その気持ち忘れて」

「えっ!?」

「胸をきゅうっとさせちゃダメ」

「どうしてですか!?」

「いや、違うか。いいんだ。
恋する為にはいい傾向なんだけど、俺に対しては……」

「あ!ユーリさん信号点滅してます!」



~~~おい!!

最後の言葉が重要だったんだけど!?


浴衣の裾を持ってパタパタと走っていく千夏。


つーか先に行くな!

歩幅を合わせろ!

小っこいんだから見失うだろーが!!



「あのね!ちーちゃんよく聞いてね!」



横断歩道を渡り終えても、浮かれて1人で進もうとするもんだから


俺はダッシュして彼女の前に回った。



「これだけ人が多いんだから、迷子になったら俺見つけられないでしょ」

「あ、そ、そうですよね……!」

「携帯も繋がらなくなるだろうし、逸れたらアウトだから。
分かった?」

「ハグれ……アウと……
わ、分かりました……!」

「あんまり分かってないよね!?
とりあえず離れないように俺と……」



………そう言いかけて


差し出そうとした手をピタッと止める。




「……ユーリさん……?」

「…………」




“ ただし、絶対に手を出すな。

指1本でも触れてみろ。

その瞬間、俺はお前を抹殺する ”

ストーリーメニュー

TOPTOPへ