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恋してキスして抱きしめて

第6章 恋愛ビギナー

そう言って笑った俺をじっと見つめて、千夏は足を止めた。


あ~あ~、泣きそうな顔しちゃって。


こりゃ、相当何かを抱え込んじゃってるな~




「そうは言っても、女って面倒なんだよね~?

男には分からない、グループとか付き合いとか色々あるんだよね?」


「…………っ」


「でも、あの大学って学生数多いだけあって、男女問わず色んな奴がいるから。

ちーちゃんがちーちゃんらしくしてれば、きっと気の合う友達が見つかるよ」




唇をキュッと結んで、大きな瞳を潤ませるから


俺はその小さな頭をグリグリと撫でた。




「それまで寂しいならさぁ。

8つ年上の卒業生でも良けりゃ、すぐにでも紹介してやるよ。

全員、ちーちゃんを好きになること間違いなし♪」


「…………!」


「大学だけが出逢いの場じゃないからね。

俺と夏輝の友達なら、怖くないでしょ?」




………社会人にもなれば、会う機会はほとんど無くなるけど


あの頃青春を共にした仲間達は、俺にとって一生の宝だ。


なぁ~んて真面目ぶっちまったけど


そういった友人が、千夏にもできるといいな。




「大丈夫だよ」


「…………っ」


「焦らなくても、怖がらなくても

ちーちゃんは、ちーちゃんのままで大丈夫」

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