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恋してキスして抱きしめて

第7章 花火マジック

「……ちゃん……」

「………」

「朝倉千夏ちゃん~~」



ハッと我に返ると


大勢の人がぞろぞろと歩き始める中、あたし達だけが座っていて


左隣りから、ユーリさんがあたしの顔を覗いていた。



「フィナーレ凄かったね~
火の粉降ってくるかと思った」

「…………!」

「ちーちゃんに感化されて、俺まで感動しちゃったぜ♪」



楽しそうに笑いながら、ユーリさんは残ったビールを飲み干す。


……黒のTシャツからスラッと伸びたその腕は、白くてすごく細いんだけど


近くで見ると筋肉で引き締まっていて、ちゃんと男の人なんだって感じる。



“ いつか、本当に好きな男と…… ”



「…………」



さっきとはまたちょっと違うような、胸が締め付けられる感じ。


ドキドキしてるけど、時々チクリと痛むような


………泣きたくなる感じと似てるのは、どうしてかな……

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