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恋してキスして抱きしめて

第7章 花火マジック

………暴走しそうって言ったユーリさんだけど


あたしが首を傾げると、暫くしてからゆっくりと手を離した。


一瞬ちょっと違う人に見えたその顔は、さっきまでの優しい表情に戻っている。



「危ね~、一瞬マジで理性ぶっ飛んだ」

「………?」

「ここまで俺から吹っ掛けといてあれだけど。
初っ端から夜遅くまで連れ回したら、殺されるな」

「……こ、殺……?」

「でも名残惜しいから、少し遠回りしてから帰ろうね」



ユーリさんはニコッと笑うと、そのまま公園の出口に体を向けた。


………そっか、そうだよね。


楽しすぎて、忘れてた。


これはあたしが恋を出来るようになる為の、シミュレーションなんだし……


ユーリさんの貴重な時間を、これ以上使わせたらダメだよ。


……でも、最後


名残惜しいって言ってくれたのが本当だったら……



「行くよ~ちーちゃん」

「は、はい……!」



ユーリさんの手は、細身のカーゴパンツのポケットに入っていて


あたしはなんだかムズムズした気持ちのまま、その後ろについていった。

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