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義父×義娘。

第35章 *バレンタインデー


渋谷につくと義父は改札の前で待っていた。

「待たせた?」

「大丈夫だよ。」

頭をくしゃっと撫でられ、手を引っ張られた。

「ん?」

「人多いからこっちの方がいいでしょ?」

義父と手を繋いでポケットに手を入れた。

どこもカップルだらけの中、路地を入って静かなバーについた。

「ここ?」

「うん。」

ジャズが流れるおしゃれなバーだった。

「こういうところ連れてきてもらえると大人になった気がする。」

「まだまだ佳奈はこどもだけどな。」

「そんなことないもん!」

そっぽを向くと笑われた。

カクテルを飲んでいると眠くなってきて、左隣にいる義父に寄りかかった。

「眠くなった?」

「うん…」

義父がお会計を済ませる前にバッグからお菓子を取り出した。

「はっぴー ばれんたいん…」

酔いが回って舌足らずになってしまった。

頭を撫でてくれると、お会計をして外に出た。

「家じゃないからお姫様抱っこできないよ?」

「そこまでしなくて大丈夫。」

電車に乗って家に着いた頃には酔いはかなり落ち着いた。

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