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恋人契約

第3章 夢の中で

ー※龍side※ー

「恋人契約のシゴト・・・ね。」

俺は正直、相手が嫌そうでも抱く。

そんな性格だったはずだが・・・

今、また皇を抱いて思った。

大切にしたい。

そう思った。

でも皇には、契約のシゴト内容だと俺が言った。

聞かれたから咄嗟に答えてしまった。

『違う。』

そう一言言えばよかったのに。

ただ俺が虚しくなるだけだ。

一人で皇のことを思って、

その皇を優しくできない。

いい大人が聞いてあきれる。

・・・ん?

「なんだ・・・この傷・・・」

あ・・・・・・

俺に皇の両親が会いに来た時の・・・

事故の傷。

皇の両親は、俺にある手紙を渡した。

それは遺言だった。

“もしも、俺たちが死んでそのうちの誰かが生き残ったら、そいつを助けてやってくれ”

と、書かれていた。

彼等が帰ってすぐに読んだ。

しかし、すぐに理解できなかった。

死ぬ・・・?

どういうことだ?

俺があれこれ考えずに止めに行っていれば、皇の両親は死ななかったはず。

止めに行っていれば・・・皇にこんな大きな傷をつけずにすんだのに。

「・・・すまない。」

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