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恋人契約

第3章 夢の中で

いなく・・・ならない?

「あの・・・痛いです。離してください。」

「そんな顔してよく言うな。」

え?

あ・・・俺、泣いてたんだ。

まだ震えてるのかよ。

いい加減止まってくれ。

いなくならないなんて信用なんてできるわけがない。

現に、父さんたちはいなくなった。

「俺が信用できないのか?」

龍さんのことを信用してない訳でもないし、信用してる訳でもない。

信用しているのは、あの声の人。

「俺は・・・意地でもお前を守る。」

「なんでですか?俺は契約された品物なんですよ?前の人みたいに・・・」

あ・・・れ?

なんで俺はこんなに変な気持ちになってるんだ?

「俺はお前を品物だとは思っていない。前のやつは品物にすぎなかったが、皇・・・お前は違う。覚えておけ。」

違う?

俺は・・・違う?

なんで?

あ・・・震えがおさまってきた。

俺はこの人の言葉に安心・・・したのか?

「よし、寝るぞ。」

「うわっ・・・いきなり寄りかからないでください。」

龍さんは俺を道ずれに横になった。

その腕は俺をしっかりと抱き締めている。

少しだけ・・・安心する。

あ・・・眠気が・・・。

俺は眠りについた。

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