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大宮ピンク変

第1章 大野変

まず顔を確認する。

緊張しながら、覗き込んでみる。

顔は、ほぼ一緒だった。

若干顔つきが優しくなっている気はするものの、少なくとも他人の顔ではない。

次に腕に目を落とす。

Tシャツから伸びるそれは華奢で(もともと華奢だけど)男の逞しさを欠く。

コレはアウトだな。

「今日の仕事は打ち合わせ二つだけだし、何とかなりそうで良かった」

私服でごまかせるのはラッキーだったと考える。



と。

俺は鏡越しに、大野さんの視線に気付いた。

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