ずっと君を愛してる
第8章 どこにも行かないで
「誠人!起きて起きて!雪!」
「え…?」
翌朝、窓の外を見た静流は子どものようにはしゃいだ。
昨夜から降り続いた雪がおもてを一面の銀世界に変えていた。
「うわ…一晩でこんなに積もったんだ」
「去年よりすごいよ!誠人、早く着替えて外に行こう」
「外?!行くの?ちょっと…」
言い終わらないうちに静流はコートをつかんで部屋を出ていった。ぼくもあわてて着替える。
バタン!とドアが閉まり、突然部屋に静寂が訪れた。
その瞬間、ぼくの脳裏にあの日の記憶がよみがえった。出ていった静流を夜通し探しても見つからずに、部屋に帰った朝。
あの時、自分の部屋だというのに驚くほど音がなく耳がおかしくなったのかと思ったほどだった。思わずカメラを手にしてシャッターを切ったほどだ。
ずっと使っていた古いマニュアルカメラはカシャ、と小さく音をたてた。
…もうファインダーを覗いても静流はいなかった。開け放した窓から入る冷たい空気が、静流の残したメモを揺らすだけだった。
気がつくとぼくは突っ立って涙を流していた。どのくらい、そうしていたのかわからない。目の前には、不思議そうにぼくをのぞきこむ静流がいた。
「誠人?」
「え…?」
翌朝、窓の外を見た静流は子どものようにはしゃいだ。
昨夜から降り続いた雪がおもてを一面の銀世界に変えていた。
「うわ…一晩でこんなに積もったんだ」
「去年よりすごいよ!誠人、早く着替えて外に行こう」
「外?!行くの?ちょっと…」
言い終わらないうちに静流はコートをつかんで部屋を出ていった。ぼくもあわてて着替える。
バタン!とドアが閉まり、突然部屋に静寂が訪れた。
その瞬間、ぼくの脳裏にあの日の記憶がよみがえった。出ていった静流を夜通し探しても見つからずに、部屋に帰った朝。
あの時、自分の部屋だというのに驚くほど音がなく耳がおかしくなったのかと思ったほどだった。思わずカメラを手にしてシャッターを切ったほどだ。
ずっと使っていた古いマニュアルカメラはカシャ、と小さく音をたてた。
…もうファインダーを覗いても静流はいなかった。開け放した窓から入る冷たい空気が、静流の残したメモを揺らすだけだった。
気がつくとぼくは突っ立って涙を流していた。どのくらい、そうしていたのかわからない。目の前には、不思議そうにぼくをのぞきこむ静流がいた。
「誠人?」