ずっと君を愛してる
第2章 まだ、ぼくは…
今日は仕事が休みだし、予定もないから1日家にいて本でも読もうと決めていたから起きたのは昼前だった。
ゆうべ、ひどい雨が降った。
新聞を取りにポストを覗きにいくと、緑色の封筒のエアメールが届いていた。
ぼくは、それが静流からであることを直感した。
見慣れた、丸く小さな文字。
それは記憶のなかの静流が眠る姿に似ている。
四つ葉のクローバのシールで留められた封筒の裏には差出人の名前だけが記され、どこから投函されたのか一見しただけではわからない。
ぼくは、その場で開けて読みたい気持ちを抑えて空を見上げた。
あ。秋…。
いなくなった静流を探し回った翌朝も、こんな空だった。
ひどい雨が、ぼくらの夏を持ち去ってしまった。
すうっと涼しい風が頬を撫でていく。
誠人へ、と始まるその手紙は静流を思い続けたぼくへのささやかなご褒美だったのかもしれない。
たくさんの近況報告のあと、一緒にいたころの出来事が連綿と綴られそして最後に、まるでそれまでの文章はこれだけをたずねるための序章にすぎなかったかのように。
―あの時のキスに、ちょっとは愛があったかな?
ちょっとどころじゃない。君は、ぼくの世界の全てだった。
おかっぱ頭の、メガネをかけた小さな女の子。ぼくを見つけると、少し体を揺らしながら歩いてくる笑顔あふれる女の子。
大切で、まぶしくて、その成長に驚いて。
まだ、思い出にはなっていないよ。
だって一度も君のことを思い出さなかった。
ただ、思っていただけなんだ。
ゆうべ、ひどい雨が降った。
新聞を取りにポストを覗きにいくと、緑色の封筒のエアメールが届いていた。
ぼくは、それが静流からであることを直感した。
見慣れた、丸く小さな文字。
それは記憶のなかの静流が眠る姿に似ている。
四つ葉のクローバのシールで留められた封筒の裏には差出人の名前だけが記され、どこから投函されたのか一見しただけではわからない。
ぼくは、その場で開けて読みたい気持ちを抑えて空を見上げた。
あ。秋…。
いなくなった静流を探し回った翌朝も、こんな空だった。
ひどい雨が、ぼくらの夏を持ち去ってしまった。
すうっと涼しい風が頬を撫でていく。
誠人へ、と始まるその手紙は静流を思い続けたぼくへのささやかなご褒美だったのかもしれない。
たくさんの近況報告のあと、一緒にいたころの出来事が連綿と綴られそして最後に、まるでそれまでの文章はこれだけをたずねるための序章にすぎなかったかのように。
―あの時のキスに、ちょっとは愛があったかな?
ちょっとどころじゃない。君は、ぼくの世界の全てだった。
おかっぱ頭の、メガネをかけた小さな女の子。ぼくを見つけると、少し体を揺らしながら歩いてくる笑顔あふれる女の子。
大切で、まぶしくて、その成長に驚いて。
まだ、思い出にはなっていないよ。
だって一度も君のことを思い出さなかった。
ただ、思っていただけなんだ。