ずっと君を愛してる
第15章 新しい生活
もう一度写真の勉強をするために、6年勤めた会社を辞めて思いきってパリに来て一年が過ぎた。
まだ肌寒い春先の午後、ポンデザールの上にはカンバスをたてる明日の画家たちが並ぶ。絵筆を動かす手の表情、対象物を見つめる真剣な眼差し。
そんな彼らを横目で見て通りすぎ、アパルトマンに急ぐ。帰ってやらなければならない仕事が山ほどある。
ポートフォリオを持ち込んで、勉強させてくれるカメラマンを必死で探した。ようやくぼくの情熱が通じたのは半年前。クロード・ベルクールというカメラマンだった。フランス人らしからぬ生真面目さで毎日の予定をこなしていく。早朝から深夜まで依頼があればどんな撮影も引き受ける。そんな多忙極める毎日に感情が麻痺する。ぼくはただ、彼の有能なアシスタントであるために。1日も早く、誰かの心に刻まれる写真を撮るカメラマンに。それらがただぼくの思考を支配する。
まだ肌寒い春先の午後、ポンデザールの上にはカンバスをたてる明日の画家たちが並ぶ。絵筆を動かす手の表情、対象物を見つめる真剣な眼差し。
そんな彼らを横目で見て通りすぎ、アパルトマンに急ぐ。帰ってやらなければならない仕事が山ほどある。
ポートフォリオを持ち込んで、勉強させてくれるカメラマンを必死で探した。ようやくぼくの情熱が通じたのは半年前。クロード・ベルクールというカメラマンだった。フランス人らしからぬ生真面目さで毎日の予定をこなしていく。早朝から深夜まで依頼があればどんな撮影も引き受ける。そんな多忙極める毎日に感情が麻痺する。ぼくはただ、彼の有能なアシスタントであるために。1日も早く、誰かの心に刻まれる写真を撮るカメラマンに。それらがただぼくの思考を支配する。