ずっと君を愛してる
第19章 ふたりを繋いだもの
「けど驚いたよな。今世紀最大の驚きだよな」
「まさか瀬川が最初に親になるなんてな」
「でも、ちゃんとお父さんに見えるよね」
「4年のブランクがあるとは言え、ね」
今日は久しぶりに仲間が集まった。いつもの居酒屋ではなく、ぼくの家での月イチ会。静流とぼくたちの子どもも加わって随分にぎやかな会だ。
「静流は?これからも個展とかするの?」
「撮影旅行の時間があればね。私の写真って海外が多いから」
「夫婦でカメラマンかー。かっこよすぎだろ」
パリから帰ってきて、ぼくは静流と結婚した。そして二人の子どもの父親になった。
色々なことが一気に押し寄せてきて、環境ががらりと変わった。
パリで見た静流の写真集。その最後にあった作品。この家を背景に二人の子どもが静流にキスをしていた。あの写真がなければ、ぼくはまだパリにいただろうし、子どもたちの存在もしらないままだった。
二人の子どもたちを身ごもっていることを静流が知ったのは、寒い寒い2月のニューヨークだった。
静流は、その前に訪れていたぼくとの行為が初めてで父親が誰かなど疑う必要はなかった。
ただただ、その存在を嬉しく思ったのに、父親であるぼくには知らせなかった。
静流はただ、ぼくの邪魔をしたくなかっただけだと言った。そんな大事なことを知らせないなんて静流の感覚を疑うよ、と口論になったりもしたが、今はよく子どもたちを無事に育ててくれたと感謝の気持ちでいっぱいだ。
それに。それが静流なのかな、とも思うから。
やがて春が来て、夏が終わり、ニューヨークに短い秋がくるころ静流はボスであるクリスティー・チャンの助けを借り無事に双子を出産した。自らもシングルマザーであるクリスティーは献身的に静流と双子の世話をしてくれた。
子どもたちが3歳になると、静流は二人を連れて短い撮影旅行にも出掛けた。そして以前から撮りためた写真を加えて写真集を作った。
最後の写真は、もちろんぼくに宛てたメッセージである。撮影のためにこの家を訪れたらたまたま空き家で、静流はここに住むことに決めたと言う。
「まさか瀬川が最初に親になるなんてな」
「でも、ちゃんとお父さんに見えるよね」
「4年のブランクがあるとは言え、ね」
今日は久しぶりに仲間が集まった。いつもの居酒屋ではなく、ぼくの家での月イチ会。静流とぼくたちの子どもも加わって随分にぎやかな会だ。
「静流は?これからも個展とかするの?」
「撮影旅行の時間があればね。私の写真って海外が多いから」
「夫婦でカメラマンかー。かっこよすぎだろ」
パリから帰ってきて、ぼくは静流と結婚した。そして二人の子どもの父親になった。
色々なことが一気に押し寄せてきて、環境ががらりと変わった。
パリで見た静流の写真集。その最後にあった作品。この家を背景に二人の子どもが静流にキスをしていた。あの写真がなければ、ぼくはまだパリにいただろうし、子どもたちの存在もしらないままだった。
二人の子どもたちを身ごもっていることを静流が知ったのは、寒い寒い2月のニューヨークだった。
静流は、その前に訪れていたぼくとの行為が初めてで父親が誰かなど疑う必要はなかった。
ただただ、その存在を嬉しく思ったのに、父親であるぼくには知らせなかった。
静流はただ、ぼくの邪魔をしたくなかっただけだと言った。そんな大事なことを知らせないなんて静流の感覚を疑うよ、と口論になったりもしたが、今はよく子どもたちを無事に育ててくれたと感謝の気持ちでいっぱいだ。
それに。それが静流なのかな、とも思うから。
やがて春が来て、夏が終わり、ニューヨークに短い秋がくるころ静流はボスであるクリスティー・チャンの助けを借り無事に双子を出産した。自らもシングルマザーであるクリスティーは献身的に静流と双子の世話をしてくれた。
子どもたちが3歳になると、静流は二人を連れて短い撮影旅行にも出掛けた。そして以前から撮りためた写真を加えて写真集を作った。
最後の写真は、もちろんぼくに宛てたメッセージである。撮影のためにこの家を訪れたらたまたま空き家で、静流はここに住むことに決めたと言う。