そばにいて、そしてキスをして
第6章 心が緩む場所
それから毎日同じことが続いた。
いつもあざになる手前で止める松田だが、それが連日となると次第に色が変わり目立つようになってしまったのだ。
それが、洋輔が目を逸らしてしまうほど痛々しい真緒の傷となったのだ。
「真緒さん。もう今日は店に出ないほうがいいですよ。オレ、舞ちゃんに来てもらうよう電話しますから。明日は定休日だし、ゆっくり休んで下さい」
舞ちゃんは、やはり研究室の後輩で時々この店を手伝ってくれる。
「……うん。ごめんね」
真緒は涙が出た。洋輔は何も言わず真緒のバッグを持って店の外に送り出した。
店をでてあてもなく歩きながら、雨が降りだしそうな空を真緒は見上げた。
松田の暴力は、結果としていつもよりひどくなったが、真緒は初めて自分の意思を伝えたのだ。
気になるのは、真緒を殴った松田の手だ。痛かったはずだ。それが倉沢なら、その手を優しく包んであげるのに。松田には出来なかった。
気がつくと、真緒は倉沢のマンションの下に来ていた。
いつもあざになる手前で止める松田だが、それが連日となると次第に色が変わり目立つようになってしまったのだ。
それが、洋輔が目を逸らしてしまうほど痛々しい真緒の傷となったのだ。
「真緒さん。もう今日は店に出ないほうがいいですよ。オレ、舞ちゃんに来てもらうよう電話しますから。明日は定休日だし、ゆっくり休んで下さい」
舞ちゃんは、やはり研究室の後輩で時々この店を手伝ってくれる。
「……うん。ごめんね」
真緒は涙が出た。洋輔は何も言わず真緒のバッグを持って店の外に送り出した。
店をでてあてもなく歩きながら、雨が降りだしそうな空を真緒は見上げた。
松田の暴力は、結果としていつもよりひどくなったが、真緒は初めて自分の意思を伝えたのだ。
気になるのは、真緒を殴った松田の手だ。痛かったはずだ。それが倉沢なら、その手を優しく包んであげるのに。松田には出来なかった。
気がつくと、真緒は倉沢のマンションの下に来ていた。