そばにいて、そしてキスをして
第2章 変化
梅雨の中休みなのか、ここ2、3日蒸し暑い。夏野菜が出始め、店先が緑色で埋め尽くされていく。そのなかで紅一点といった感じのルバーブが今日仕入れてみた野菜である。
真緒はちょっと変わったものを少し置くのが好きだ。このルバーブは、例えばヨーロッパではポピュラーだが、日本人にはあまり馴染みがない。だから買っていく客が限られるのだ。変わったものを見つけた時の客の表情は様々で、見ていて楽しい。
午前中の客足のピークが過ぎて、真緒は夏野菜を使ったレシピを書いていた。
夏はなるべく火を使わない料理がいい、とよく来る女性客が言っていたのを思いだし、サラダに添えるドレッシングを思い付いた。
真緒は料理を作るのも食べるのも好きだ。自分のためはもちろん、松田のためにもよく料理をする。しかし松田は食に執着がなく、空腹を満たされれば満足なのだ。何を食べてもおいしいと言ってくれるが、それだけなのだ。欲を言えば一緒にキッチンに立ってみたいな、とも思う。
だから真緒にはすこし物足りないのだった。
明日は定休日だ。もしルバーブが売れ残ったら、持ち帰ってシロップ煮かジャムにしよう。あのさわやかな酸味が真緒は大好きなのだ。
真緒はちょっと変わったものを少し置くのが好きだ。このルバーブは、例えばヨーロッパではポピュラーだが、日本人にはあまり馴染みがない。だから買っていく客が限られるのだ。変わったものを見つけた時の客の表情は様々で、見ていて楽しい。
午前中の客足のピークが過ぎて、真緒は夏野菜を使ったレシピを書いていた。
夏はなるべく火を使わない料理がいい、とよく来る女性客が言っていたのを思いだし、サラダに添えるドレッシングを思い付いた。
真緒は料理を作るのも食べるのも好きだ。自分のためはもちろん、松田のためにもよく料理をする。しかし松田は食に執着がなく、空腹を満たされれば満足なのだ。何を食べてもおいしいと言ってくれるが、それだけなのだ。欲を言えば一緒にキッチンに立ってみたいな、とも思う。
だから真緒にはすこし物足りないのだった。
明日は定休日だ。もしルバーブが売れ残ったら、持ち帰ってシロップ煮かジャムにしよう。あのさわやかな酸味が真緒は大好きなのだ。