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アクマにアソコを貸しました

第7章 その位、ちょっとヤンチャなだけじゃないですか

「あんなもん、あんな背中の模様なんてタトゥーみたいなもんでしょ!?
ちょっとヤンチャなだけだと思えばいいじゃないの!」

一瞬の静寂。張り詰めていた空気がフッと緩んだ。

「梓穏、タトゥーとは違うって」
「さすがだな梓穏、全然違うぞ」


良かった、笑ってくれた。
引き留めたくて、とにかく反応が嬉しい。

“苦笑い”していた双子の悪魔からスッと“笑い”が抜けた。哀しみでいっぱいの表情が切ない。

「梓穏、目ぇ閉じろ。記憶を消…」

「いやよ。記憶を消されるのも、処女に戻るのもイヤ」

ケィシと私、お互いに深いため息を吐く。意見はどこまでも平行線だ。


「帰るって…私を一人置いて帰るなら証くらい遺して行ってよ!!」

声が裏返った瞬間、大きな滴が頬を滑り落ちた。

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