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アクマにアソコを貸しました

第8章 彼氏いない(処女)歴=年齢じゃダメですか

「キミ、大丈夫?」

涙を拭いながらもう一度顔をあげると、不思議な単語が脳裏に浮かんだ。

「ケィシ。マソォ」
何だろう?何かの呪文みたいな言葉だな…


その呪文を聞いて、二人組の顔がピクリとした。

「ケィシ。マソォ」

二人が瞠目した。

「ケィシ。マソォ」

二人が顔を見合わせた。

「ケィシ!マソォ!京紫!真赭!」

それが二人の名前だと思い出した瞬間、激流のような記憶が私を呑み込んだ。

激しい記憶の波を迎える間、ただ両手を口に当ててぼろぼろと涙を流して突っ立っていた。


「あーあ、思い出しちゃった」

「お前は記憶の蓋まで緩いのか」


二人の首にしがみついてワンワン泣いているうちに、いつの間にか知らない場所へ来ていた。

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