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アクマにアソコを貸しました

第10章 イカ?いいえ、津島です

「カグ、何か手伝う事あるか?」

テンションと共に俺のスキルが上がったのか、仕事が捗る、捗る。手伝ってやろうと、同期に声を掛けた。彼女とは一瞬イイカンジだったのに、その彼女を置いてきぼりに自分だけがハッピーだからちょっと後ろめたかった。

「うーん、今のところ大丈夫。ありがと。
珍しいね、津島君が手伝うって言ってくれるなんて」

にこやかに俺を見上げた。無しではないが、萌々ちゃんの前では霞むな…

「そっか、今日なら手が空いてるから何かあったら言ってくれ。それから…すまん、俺たちただの同僚に戻ろう」

こうなっては、はっきりと伝えるのが優しさだろう。そう思って言ったものの、俺のセリフを聞いた途端、カグの眉間にシワが寄って彼女を傷つけてしまった事を目の当たりにした。
さすがにちょっと心が痛む。俺は逃げるように立ち去った。


――
――――
「はぁ?何よ藪から棒に。元々ただの同僚でしょうが」

しかめっ面で津島の背中にそう返した私の言葉は、届かず床に落ちてしまったらしい。

気付けば津島の背中を無表情で見ていた、マソォの意味深な笑顔に、背中がゾワッとした。
さっきの会話、聞かれた…
「どんな仲だったんだろうねェ?帰ったら、ゆーーっくり聞かせてね」
「違…」違うのマソォ!

S感漂うオーラを放つマソォ背中は颯爽と遠ざかって行った。
…津島め〜!何の恨みがあるんだ、ボケぇ!!

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