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アクマにアソコを貸しました

第10章 イカ?いいえ、津島です

「しーおん♪」

ブフッ

鼻…鼻から牛乳が出た。ハナが…痛ぇ…

「ゴホッゴホッ…おか、えり。マソォ、帰ってたの?今日は早かったね」


涙目になりながら素早く口元と鼻を拭う。鼻から牛乳の乙女は乙女ではない。
チラリと時計に目をやれば9時半を過ぎたところだった。いつものご帰還よりだいぶ早いな。

「うん、ただいま。昼間の事が気になっちゃって早く帰って来た。集中出来なかったし。(←何に?)
梓穏はお風呂上がりの牛乳中?
おいで、髪の毛乾かしてあげる」

牛乳を噴出しかけた事を笑っているのか、クスクスと肩を震わせながら手を差し出した。


乞われるまま彼の手のひらに私のそれを重ねると、一瞬キュッと強く握られてからマソォの方へ優しく引き寄せられた。

まるで、愛しい、の合図のようでマソォの顔が見られない。梓穏、顔が赤いよ?って顔を覗きこまれたら更に顔が赤くなってしまうだろう。

人外レベルの美しさってズルい。人外だけど。

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