テキストサイズ

アクマにアソコを貸しました

第10章 イカ?いいえ、津島です

数台の自販機の前に並ぶ幾つかのテーブルと椅子、その中でも隅っこにあるテーブルに腰をおろした。

暫しの躊躇いのあと漸く口を開いた萌々ちゃん。
「あの、先日はすみませんでした」

ペコリと頭を下げられてちょっと慌てる。

「えっ…やめて、こんなところで。それに気にしてないからっ」

彼女の脳内ではどういう筋書きかわからない限り、それしか言いようがなかった。

「先輩の想い人からの好意と、自分の好きな人への気持ちの間で迷うなんて…本当、最低ですよね、私」


は?おもいびと?

「迷って…決めたんです。やっぱり桐原さんへの想いを貫こうって。他にも女の子がいるかも知れないけど、自分だけを見てくれるように努力しようって思ったんです」

ひたむきな顔で私に訴えてくるけど、それ、私に報告要らなくね?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ