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アクマにアソコを貸しました

第10章 イカ?いいえ、津島です

「それに…敵わないなって思ったんです」

萌々ちゃんが俯き気味で溢した言葉の意味が分からず首を傾げる。

「先輩が真っ直ぐに津島さんを想う気持ちを強く感じて、ホント…何やってんだろって…」

ブッフゥゥゥーー!
いい歳してココアを吹いた。
止めろぉぉぉ!ホント…何やってんだろじゃねーよ、ホント何言ってんだアンタ!
私がココアを吹いた事もテーブルが汚れた事もスルーして 萌々ちゃんは深々と頭を下げた。

「嫌な思いをさせてしまった事、すみませんでした。先輩と津島さんの幸せを心から願ってます!」

えっ!?慌ててテーブルをポケットティッシュで拭いてる間にいなくなっちゃったんだけど!誤解したまま満足気に去って行ったんだけど!

茶色く汚れたティッシュを手に呆然としていたら、ポンと肩を叩かれて振り向いた。素敵な笑顔の真赭がそこにいた。
「梓穏、津島を真っ直ぐ想ってるの?」

背中の産毛(最近手入れしてなかった)がゾワリと逆立った気がした。ブンブンと激しく頭振る。

「だよね、知ってた」

「よ、良かったぁ…脅かさないでよ、真そ」「でも知ってても、イラッとしちゃった。やっぱお仕置きだね」

「ひどっ!人はそれを八つ当たりと呼ぶ!」

ひょいと抱き上げた真赭は再び素敵な笑顔を見せた。
「それも知ってる。でも俺、人じゃないから」

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