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アクマにアソコを貸しました

第2章 これってモテ期じゃないですか

ところで自然な流れで同じ方向に歩いてますけど、あなたどちらへ――?


「同じ会社なんだから、方向が一緒なのは当たり前だろ」

「そっか」

………

「えっ?同じ会社なの!?」

「あぁ、今日からな」

ケィシはこともなげに頷いた。こないだぶつかった時は明らかに方向が違っていたけど…


ど?「どゆこと!?」

「行けばわかる」

会話が面倒くさくなったのか、強制終了させられた。

「おはようございます」

挨拶しながら自分のデスクに座る。こっそりとケィシを観察していたが、何もなかった。

ていうか、何も無さ過ぎた。ケィシの所属する(と思われる)営業部の人たちへ
「え〜今日から入った〜」
という紹介もない。当たり前のように彼のデスク(と思われる)に座って、普通に仕事をしていた。


午前中にバタバタして、お昼休みに入るのが遅くなってしまった。
グウグウ鳴るお腹を宥め、財布を持って外へ向かう。

ちょうどやってきたエレベーターに乗り込むと、社内でも1、2を争う人気の先輩が乗ってきた。密室で二人きりですぜ!

とは思ったけどさ…なんか、すごぉく近い気がするんだけど。


「ねぇ」

はいぃ!?
思わず返事の声が裏返った。

「神楽坂さんさ、いい香りの香水つけてるね」

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