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アクマにアソコを貸しました

第4章 恋ができないじゃないですか

「何を百面相している」

ひぃっ!!

仕事の休憩中にトイレに行った帰りに声をかけられ、猛スピードで振り向くと


――首がピキッていった。
じゃなくてケィシが私を見下ろしていた。身長も去ることながら、態度的に。

昨日の夜から続く気まずさのせいで、ほとんど会話がなかった為、話しかけられた事自体にホッとして…嬉しい。

いやいや、ホッとして…って、下僕感が染み着いてどーする!

「聞いてるか?いつも以上に顔に締まりがないと指摘してるのだが?」

「別にいいでしょ!そこがチャームポイントなのよ!」

「…………
俺は今日残業になりそうだ。いつも通り‘帰り’に支障がないようにはする」

何よ最初の間は、そしてチャームポイントの件(くだり)はスルーかよ。

「わかったわ。帰りが遅いならちょうど良かった。私も‘友達’と食事なの」
男っていうか同期だから、友達と言っても嘘じゃないし。


それを聞いたケィシは整った眉の片方を上げた。

「ほう、食事に行ってくれるような‘友達’がいるのか。それは良かったな」


ムカつくぅー!

ベーッと舌を出してケィシの横を通り過ぎようとすると、がっしりと腕を掴まれた。

引き寄せられた勢いのまま胸に飛び込むかたちになって、何がなんだかわからないうちにブラウスがはだけて鎖骨の下に痛みを感じた。


え?ブラウスのボタン…閉まってるし。出てきたばかりのトイレに戻って、チリッとした箇所を見てみると鮮やかなキスマークがついていた。

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