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アクマにアソコを貸しました

第4章 恋ができないじゃないですか

「恋くらいしても、か…
――そうだな。でも、精は勘弁してくれ。…だから」

ぶつぶつと何かを呟いて、再び唇を重ねる。

「ケィシ、本当にもう…行かなきゃ…」

「イキたいのか?」

唇を離しても喋るたびに、わずかに触れる程近い。


「イクって言うか、行かなきゃ。…バカ、セクハ…!」

言葉の最後はケィシに飲み込まれた。

こんなにも執拗なのはこれから男友達と会うと知ってるからなのかな――



****
「カグ、彼氏とかいんの?」

モグモグとサラダを咀嚼しながら考える。

彼氏とか、ねぇ。
‘彼氏’はいないけど、‘とか’には精子をぶちこんでくる悪魔は含まれるかなぁ…


「いる」

「いるの?」

「ような、彼氏と言ったら嘘になるような」

「なんだそりゃ、どっちだよ」

「だよね〜ゴメン、あたしにもよくわからない」

ケラケラと笑い合ったあとで津島くんがふと真面目な顔をした。

「彼氏がいないなら俺と付き合わないか」

………ブフー!
ワインを口からぶちまけそうになった。

「はぁ!?何言って…急にどうしたの?」ゴホゴホと噎せながら彼の顔をみれば、熱っぽい視線で私をみていた。


「ずっと同期の友達だと思ってたんだけど、3ヶ月前位からお前が気になっちゃって。俺との事、どうかな…?」


背中がブルリとした。3ヶ月前――私がケィシに珠を入れられた頃だ。

「ごめんなさい、付き合えない。今日はもう」帰るね、そう言おうとして立ち上がった途端に足元から力が抜けて崩れ落ちた。

あぁ、ケィシの言う通りだったかも。ケィシ…マソォ、ごめんね――

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