テキストサイズ

アクマにアソコを貸しました

第5章 近づいてるんじゃないですか

苦もなく抱き上げて寝室に運ぶと、ゆっくりとした所作でベッドに下ろす。


一瞬で脱がせてからパジャマを着せるしぐさはぎこちなくも優しい事を、本人は無自覚だった。
意識のない人間を着替えさせるのはかなり骨が折れるはずなのに、手ずから着替えさせてやりたいと思う理由もわからない。

最近恒例の作業を終えると一息ついてコーヒーを飲みながら、締まりのない寝顔を見てやれやれと薄く笑う。


これが人間特有の反抗期というものなのか。もうすぐ解放してやれるというのに、こんな時に反抗期になりやがって。
…しばらくは放っておこう――



女は自分で着替えてないし、男の考えた反抗期でもない。
二人とも、その考えは間違ってるからな!
彼女の奥で待つ橙色の瞳の者だけが真実を正しく知っていた。二人の気持ちをもどかしく思いつつ、自分もこの女を啼かせてみたいと強く思う。


すると匂いは更に強くなり、セックスをしない分、朝夕のキスで飲む唾液では足りなくなる。


セックスしないと朝昼夕の1日3回の(唾液の)服用になるぞ!
……そんな彼の叫びは爆睡する宿主には届かなかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ