素直じゃない契約
第11章 表と裏
「結憂は沙羅のことを前から好きやったのは知ってたで、調査済みや。
やから、殺し屋達にあいつを精神的に追い込み、結憂がその気になったら薬を渡した。
沙羅の友達のなずなちゃんやったっけ??
結憂と殺し屋が会ってるん見たって言ったときは焦ったなぁ~」
「そんな…でも、恭介は助けてくれたよね…??」
「それで沙羅が俺のことをもっと好意的になるやろ??事を進めやすくなる」
恭介が椅子に座った。
いつもの笑顔であたしを見てはくれなかった。
「あたしが良いと思って契約相手を選んだのも…」
「男慣れしてなさそう、何でもすぐ信じる性格、金に困っている…やな。
そのおかげで俺と出会ったんやで~♪」
あたしは下を向いた。
足元に涙が落ちた。
「あたしと…契約じゃなくて、本気で結婚したいって言ったことも…??」