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素直じゃない契約

第11章 表と裏



「疑うっちゅーことを学べ。詐欺にすぐあっちゃいそうやな、沙羅は」

「っ!!!………恭介……!!!」


あたしは恭介の方を見たが、
涙で視界がぼやけて顔の表情が見えなかった。


「あたしはっ……信じ…てたの…にっ…」


膝から崩れ落ちた。
制服のスカートに涙の跡がたくさん出来る。


スタンッ


後ろから襖が思いきり開いた音がした。


『聞いたよ…全て聞いたよ兄さん…!!!』


振り向くといつも温厚な理生くんが
信じられないといった表情で立っていた。


「盗み聞きはいけないなぁ、理生?」

「姉さんがさっき顔色悪そうだったから…
良くなってもらおうとお見舞いに来てみたら!!
諒からの情報と一致したよ…」


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