素直じゃない契約
第11章 表と裏
「ごめんね理生くん…。恭介と話すから…」
『ねえさんっ…!!!』
「じゃあな理生、沙羅が好きなのは俺やねん、な?」
恭介が顔を近づけ、小さな声で言った。
「拒んだら…分かるな」
あたしの横髪を手で優しく払い、
恭介はあたしに優しいキスをした。
「んっ…」
感情がぐちゃぐちゃ混ざって…
思わず涙が溢れでた…
少し長めのキスを終え、
音をたて唇が離れていった。
「っはぁ……」
「分かったか?はよ、この部屋から出てってーな理生」
『僕は…諦めないからね。兄さんには負けない』
そう言って理生くんは部屋から出ていった。