素直じゃない契約
第1章 プロポーズ?!
ガチャッ
「ちっ…またかよ…」
玄関には女物のヒールの靴と男物の汚いシューズがあった。
両親は離婚していて、今はあたしと母親だけで暮らしていた。
だけど、母親は大抵男を部屋に入れていてあたしなんかはいつもほっとかれていた。
2階にあるあたしの部屋に行くと、母親の部屋が少し開いていた。
『あれ?娘ちゃん帰ってきたんじゃね??』
『あんなこ別にいーのよ、勝手に産まれただけだし…。そんなことより…ねーぇ、お願い…』
聞こえてきた声に怒りを覚え、部屋の扉を思いっきり閉じた。