素直じゃない契約
第5章 波乱
ー……
「ふぁーぁ、そろそろ寝よっかなー…」
「……なぁ、沙羅」
あたしは布団を敷きながら、恭介の方を見ずに聞いた。
「なに…??」
「今日…何かあったやろ?」
「だーかぁら、何もないって…」
「俺は見たんや」
恭介の方を思わず見たら、
申し訳なさそうな顔をしていた。
「なんだ、知ってたんじゃん。別に大したことないし…。てか、あんた本当にモテてたの??(笑)」
あたしは布団にまた目を向け、座りながらシーツを敷いていた。
「俺にとっては…大事なことや」
そう言って、恭介は後ろから抱き締めてきた。