優しいキスをして
第2章 深まる傷。そして暴走
それから数ヶ月、定期的に会っていた。
あたしが精神的に弱わったときや、夜の相手が居ないときにも会ってくれた。時にはあたしを本気で怒ったり、お腹が痛くなるくらい笑わせてくれたり、優しく慰めてくれたり。一緒にいるだけで癒された。栄太はいつもあたしに心の休息をくれる。
今日も無理を言って呼び出したのに、会ってからは何一つ文句を言わなかった。むしろあたしを気遣うばっかりで、自分のことは何も話さない。
なんでそんな役をかってでてくれるのかわからないけど、あたしにとって栄太は大切な人だ。だから、いつかは大切な人を見つけて幸せになってほしいと思う。
でも、そのためにはあたしは栄太から離れなければならないこともわかってる。
あたしは栄太の足枷になってる…………。
「美優!!」
いきなり栄太が大声をあげるとともに飛び起きた。
「どうしたの?栄太」
「いや、…………隣にいたはずなのに居なかったから、どっか行っちゃったり変な気起こしたりしたかと思って……」
また、あたしの心配ばっかりしてる。
あたしはなるべく柔らかく笑ったように見えるように意識した。
「大丈夫。そうならないために今日あんたに会ったんだから」
「そっか……」
栄太はほっとした顔で笑った。
あたしはその顔を見て、心が痛んだ。
「でも、いつか栄太から卒業しないとね」
「いいんだよ、そんなの。気の済むまで俺に頼ればいい」
「ありがと」
栄太は重ねた枕の上に頭と組んだ腕を乗せて仰向けに寝転んだ。目線は天井に向けられている。
「俺が先に出会ってたらなぁ。百夜より俺が先に美優に出会ってたら、美優は…………」
そっか…………。
あたしも目線を宙に向けた。
あたしが精神的に弱わったときや、夜の相手が居ないときにも会ってくれた。時にはあたしを本気で怒ったり、お腹が痛くなるくらい笑わせてくれたり、優しく慰めてくれたり。一緒にいるだけで癒された。栄太はいつもあたしに心の休息をくれる。
今日も無理を言って呼び出したのに、会ってからは何一つ文句を言わなかった。むしろあたしを気遣うばっかりで、自分のことは何も話さない。
なんでそんな役をかってでてくれるのかわからないけど、あたしにとって栄太は大切な人だ。だから、いつかは大切な人を見つけて幸せになってほしいと思う。
でも、そのためにはあたしは栄太から離れなければならないこともわかってる。
あたしは栄太の足枷になってる…………。
「美優!!」
いきなり栄太が大声をあげるとともに飛び起きた。
「どうしたの?栄太」
「いや、…………隣にいたはずなのに居なかったから、どっか行っちゃったり変な気起こしたりしたかと思って……」
また、あたしの心配ばっかりしてる。
あたしはなるべく柔らかく笑ったように見えるように意識した。
「大丈夫。そうならないために今日あんたに会ったんだから」
「そっか……」
栄太はほっとした顔で笑った。
あたしはその顔を見て、心が痛んだ。
「でも、いつか栄太から卒業しないとね」
「いいんだよ、そんなの。気の済むまで俺に頼ればいい」
「ありがと」
栄太は重ねた枕の上に頭と組んだ腕を乗せて仰向けに寝転んだ。目線は天井に向けられている。
「俺が先に出会ってたらなぁ。百夜より俺が先に美優に出会ってたら、美優は…………」
そっか…………。
あたしも目線を宙に向けた。