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優しいキスをして

第4章 躯で躯を結ぶ

「…………っ」
なんで、こんな熱くて、優しいキスをくれるの…………?
止まないキスの応酬に、あたしの脳内は痺れ、だんだん麻痺していった。
ふわっと、身体中の力が抜けかけて、あたしははっとした。北澤さんも微かに目を開け、ゆっくり唇を離した。
身体中が熱い。顔も火照って長いキスで唇は熱を持っている。あたしは俯いて言った。
「北澤さん…………。ダメだよ、あたしなんて」
北澤さんは熱っぽい眼差しであたしを見つめ、掠れた声で言った。
「そのままでいいんだよ。汚くなんてない」北澤さんはあたしの顎を自分の方に優しく上向かせると、触れるだけのキスをくれた。
自分の体重をかけてベッドにあたしを優しく押し倒すと、唇を離した。
「……見せて」
色っぽい声で囁くとあたしの前で縛っていたバスローブの紐を取って、あたしの肩まで露にした。
「キレイ……」
北澤さんは目を細めて熱っぽく言うけれど、あたしは大勢の男が跨いで行ったこの体を見られたことに、恥ずかしさに頬が熱くなったのを感じた。
「……あたし、きれいなんかじゃないよ……」
「そんなことない。すごく、キレイだよ」
北澤さんはまた軽くキスをくれるとそのままあたしの首筋、肩、胸元へキスを落としていった。その間両手で両胸を優しく下から包むように揉み、そのままお腹までキスをすると、またあたしの前に戻ってきてまたゆっくり深くキスをくれる。
ふと、唇が離れ北澤さんに見つめられると、あたしは急に羞恥心を感じてしまった。
「なんか、すごく、恥ずかしいよ……」
「可愛い」
北澤さんは妖しさも感じながらも穏やかに笑った。
あたしは恥ずかしさで目が合わせられない。「今さら、変だよね」
「普通の女の子の反応だよ。むしろちょっと新鮮かも」
北澤さんは優しく微笑んだ。
あたしはそんなことを言われなれなくて、ますます顔が熱くなった。
「……やめてよ。あたしそんな可愛い女じゃ……」
ふと、あたしの頬は北澤さんの大きな手のひらで包まれた。あたしは思わず前を向くと、北澤さんの穏やかだけれども真剣な顔が間近にあった。
「今は、俺に預けて……。全部」
「……うん」
北澤さんのキレイな顔がまた近づいて来て、あたしはゆっくり目を閉じた。

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