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行かないで

第2章 それからのこと

たしか お父さんに学校についたら校長室に行ってって言われてた。



わたしは校長室に向かった。


コンコン…

「おはようございます。失礼します。」


ガラガラ…

とドアを開けると、校長先生がニッコリわらってお茶をだした。


「座って。」

「はい。」


柔らかいソファーに腰かけると、校長先生は私のほうをまっすぐみていた。

「璃里さんのお父さんから、話は聞いています。」


わたしはとりあえずコクンとうなずいた。

「がんばって学校きたね。お母さんがあんな状況なのに…。」

やめて
お母さんのことは言わないで


「でも璃里さんのお母さんは――――」

お母さんのこと言わないでよ



「お母さんも――だし、お母さんは……」



やめてってば!!!!!!!!


「璃里さんのお父さんもお母さんも―――――」

「情けないお母さんだねぇ」



「はぃ?」

情けない……?


「あ、聞こえなかったかな。情けないお母さんだね。」

聞こえてる。


情けない…………?




「璃里さんのお母さんはとても情けないよ……」

泣くことしかできなかったと思う。その時のことは、あまり覚えていないから……

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