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囚虜の涙

第2章 日常と異変

「…はぁ。」

本日、二度目のため息が降ってくる。
今度こそ呆れられたような気がする。

「…お前の寝相の悪さは知ってたがこんなに酷いとはな…。」

「…は?急に何?」

ため息の次は意味を見出せない言葉。
疾風はつくづく不思議だな…。

俺と二人でいると気が緩む疾風。これもそのうちのひとつだろう。

「マジで、わかんない?お前が枕にしてるのは俺の…」

ついには頭のネジが外れたのか?
この枕がどうしたっていうのか。
この枕は正真正銘…

……?この枕…いつものと違う。
なんか、いつもより硬くずっしりしている。この感触は枕というよりは……

「え…え?疾風の膝っ!?」

気づいた時には飛び退くように身体を起こしていた。
叫ぶのも同時である。
おかげで微睡みの中にあった頭もすっかり目が覚めてしまった。

「やっと、気づいたか…。俺、足が痺れて痛いんだけど…」

疾風は俺から解放された足を床に投げ出し、ボソリと呟いた。

不機嫌そうな顔は、ただ足が痺れて苦痛に歪む顔だったのだ。


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