テキストサイズ

囚虜の涙

第2章 日常と異変

その姿を少し離れたところから眺めていた俺はやっと落ち着くことが出来た。

でも落ち着く程に頭が冷えて来る。
冷静になると唐突に羞恥心が襲ってくる。

そして、自分の行動に悔いる。
今更、嘆いたって後の祭だが頭の中はそれで埋まっている。

俺の寝相の悪さは生まれつきと言っても過言ではないが、ここまで酷いのは自分も初めて知った。

寝ている間に抱き付いて、更に枕にしてしまうなんて…!

夢遊病の一歩手前ではないのか、とまで思ってしまう。

思い返すと無性に恥ずかしくなって、疾風の足を軽く足蹴にする。

「痛っ!!いきなりなんだよ!?ってバカっ、蹴るなっ」

「…べ、つに!なんでもないしッ!」

言葉ではそう言っているが俺の足は疾風の足の上。

でも、疾風は怒ってる訳でもなく仲直りのちょっとしたじゃれあいって感じがした。

そんな疾風に謝りたいな、と思った。今なら疾風も許してくれるだろう。
でも今更、謝れるような雰囲気じゃない。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ