しのぶ
第1章 1・光への生還
志信は元康の腕を掴むと、元康を組み敷き自らが上に乗る。濡らした志信の尻が元康の一物に当たり、達したばかりだというのにそれは血潮を集めていた。
「忍びとは、こういう生き物です。眉一つ動かさず命を奪い、弔う事もなく捨て去る。善意も悪意も目的のため利用し裏切り、体を使う事すら厭わない。私は伊賀の里で、そう仕込まれた生き物です」
志信の下半身に興奮を覚え、反り立っている。志信は元康に身を寄せると、それを元康の股に擦りながら語った。
「こうして私が触れるたび、元康様の体は闇色に汚されていくのです。私を光の元へ拾い上げて下さったあなたを……私が汚してしまう」
重く悲痛な声とは裏腹に、志信の腰は段々激しくなっていく。互いの性器が擦れ合う快感と、志信の語る悲哀。本能が掻き立つ程に、罪悪感が元康に生まれる。
「私は……元康様だけの『しのぶ』です。お慕い申し上げております。だからこそ……あなたには触れられません」
「しのぶ……」
「お許しください、元康様。分かっていても……止まらないんです。こうして今も、元康様を汚してしまう……っ!」