しのぶ
第4章 4・暗躍
助六は志信を組み敷くと、赤く尖る胸の飾りにしゃぶりつく。
「あっ!? いけません……まだ、文が」
「そんなもの後でじっくり読んでやる。まずはわざわざここまで文を運んできたお前を、慰労してやろう」
「駄目っ、んんっ!」
いけないといいながらも、志信の肌は火照り始め助六を喜ばせる。助六は気分を良くし、志信の足を大きく広げるが、志信は首を振りその足を閉じた。
「はあっ……お止めください、返事をいただけない内に、このような真似は出来ません」
「分かった分かった。何が書いてあるかは知らないが、全てお前の好きにしてやろう。だからそう嫌がるな」
「しかし、まだ読んでもいないのに……」
「内通者、と言ったな。詳しい事は知らないが、とにかくお前は小川家を見限りここへ来たのだろう? ならば敵にはなるまい」
助六が再び暴いても、今度は志信も抵抗しなかった。志信はおもねるような瞳を向けて、助六の背に腕を回した。
「小早川家は、東軍に味方されるのですか?」
「今は西軍に身を寄せているが、秀秋様は初めから徳川寄りだ」