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衝動

第4章 〜彼との出会い〜

彼と知り合ったのは、私が小学生6年生の時だった。

引っ越した先のマンションに住んでいた人で、彼は当時高校1年生だった。

元々私は、歳上の男の人が大の苦手だった。理由は特になかったけれど、何と無く怖いイメージを持っていたからだ。今思えば、それは単なる偏見でしかなかったけれど、とにかく私は苦手だった。

前の家は田舎の一軒家で、下校時に会う人と言ったら、近所のおじいちゃんやおばあちゃんか、野良猫くらいだった。しかし、マンションではそうもいかない。たくさんではないにしても、多少の人とはすれ違ったりするだろう。そのなかには、歳上の男の人も居るだろう。それが怖くて仕方なかった。別に何かをされるわけでもないとわかってはいても、歳上の男の人とすれ違うのだけは避けたかった。

ある日、一人の男子高校生とマンションの前ですれ違った。身長は多分、170cmちょっとくらいだった。私は塾の帰りで、このくらいの時刻が高校生の下校時刻なのだろうなと思った。そこで私は気づいてしまった。塾は週に2回あり、どちらとも平日である。それでは、週2のペースですれ違うことになるかもしれないと。それだけは避けたい。



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