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衝動

第4章 〜彼との出会い〜

次の日、私は母に買い物を頼まれ、玄関を出た。
階段を降りると、運悪くまた高校生と会ってしまった。会うだけで運が悪いと思われていたら相手もなんか可哀想かなと思いつつも、そんなことを思ってしまう私であった。

目を合わせないように下を向いて、なぜか息も止めて歩いた。怖い怖い怖い。過ぎた時の開放感がすごかった。

そのまた次の日、今日は塾の日だった。私は、ある作戦を思いついていたのだ。今日はそれを実行するつもりである。いつものように塾からの帰り道、マンションの階段には行かず、マンションの裏の方へ歩いた。そこには、民家があり、その近くの空き地に猫がたくさんいた。私は大の猫好きだった。マンションだから飼えないので、時々ここで猫に癒されているのである。

そこには、私のお気に入りの猫が一匹いる。名前はしらす。名前といっても、私が勝手に付けた名前だけれど。シャム猫そっくりの猫で、澄んだ青色の目が好きだった。

作戦とは、猫と遊ぶことで、時間を調整し、高校生とすれ違うことを避けるものだった。一石二鳥の作戦である。成功を祈り、私はマンションに向かった。

階段を登り、家に着く。

(作戦成功……!)

これからは、この作戦を実行していくことにした。

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