テキストサイズ

最後の恋は甘めの味で

第9章 相合傘

そこで気付いた自分の気持ち。


私はーーー


焦っていたんだ。


さっき、みんなが前に行く様を見て、私も行かなきゃと。


これでいいと言ったけれどやっぱり置いていかれるのは寂しくて怖くて......


一人になる勇気さえ、私にはないのだ。


でも、彼は言った。


急ぐ必要はないと。


自分のペースでいけばいいのだと。


上條くんはきっと私の心など知らない。


それなのに......


どうしてこんなにもドストライクな言葉をくれるのか。


これもイケメンと言われる謂れなのかもしれない。


ちょっと救われてしまったではないか。


心も少しだけ軽くなった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ