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最後の恋は甘めの味で

第9章 相合傘

私は上條くんから少し離れ、頭を下げる。


「あき」

「ごめんなさい。今日一日、あなたに嫌な態度をとったわ。反省してる。でも、どうかと思うの。ホテルに女とカード置いて一人で帰るっていうのは。イケメンといえど許されないと思う。それに帰った理由が社長を抱くためって」

「抱いてませんけど」

「.........へ?」


ずっと静かに聞いていた上條くんがいきなり口を挟む。


「だから、抱いてませんって。会いはしましたけど。っていうか絶交宣言されたんで」


上條くんの言っている言葉が半分以上理解できない。



会ったのに抱いてない.....?

絶交って......つまり.....



「2人ってしりあ」

「暁さん、急がなくてもいいっては言いましたけど、再び邪魔なところに戻れっては言ってませんよ。というかなぜどこうとするんですか。俺は、人の波に逆らわず歩こうって言ったんです。ほら、行きますよ」


上條くんは私の背を押し、歩き始めた。

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