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最後の恋は甘めの味で

第10章 戻りたくない

部長から一任された時の上條くんの顔を見たときはどうしようかと思った。


どう考えても、笑顔がひきつっていた。


でも、その後の上條くんは驚くほど今回のシステムについての勉強をしていた。


そういうところ、私も見習わなければと思っている。


上條くんの必死に勉強する姿を思い浮かべ、私は口を開く。


「行かないでおくわ。もう少し待ってみる。部下がまだ頑張っているのに上司が帰っちゃ示しがつかないから」


お食事会とは言え、仕事なことに変わりはないだろうから。


「......うん。そうね。じゃあ、私は行くけど来れたら来たら?上條くんと2人で」

「いろんな女性に反感買うわよ......」


佳世はケラケラと人ごとのように笑った。

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