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最後の恋は甘めの味で

第2章 生意気

しかし、その手はあっけなく上條くんの大きな手に掴まれる。




「っ.....一発でいいわ。げんこつさせなさい」


「嫌ですよ。痛いし」





下に向かい力を入れるも一向に動く気配はなく、疲れるだけと判断し力を緩める。




それに従い、上條くんの手も離れていった。




「冗談ですよ」


その言葉に若干期待を込める。



「本当は33」




続くその言葉の語尾に含み笑いを入れる上條くんにもう怒る気も起きず今日2度目の溜息を吐く。




この男.....

自分がかっこよくてなんでもできるからってなんでも許されると思ってるんだわ....





じっと座っている上條くんを見下ろし、その長いまつげに感動さえ覚える。




なんなのよ、そのエロい口元は





ブラックを飲む上條くんの口元を自然に見つめているとふいにその口角が上がった。

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