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最後の恋は甘めの味で

第15章 振る

しつこく上條くんに迫る望月さんを見て、今日は無理だと悟り、踵を返そうとしたとき


「あー.....もう、うっぜぇな」


そんな苛立ちの声が聞こえてきた。


場は静まり返り、皆氷漬け。


「先約が、あるんですよ。あの人っていう」


上條くんがびしっと私を指さす。


「っ.....でも、上條くん、相模さんに誑かされたって」

「はぁ?」


望月さん、真由ちゃん口ポカーン。


優しくて紳士的でかっこいい上條くん。


彼女達の中でそんなイメージの上條くんがいとも簡単に崩れていくのが分かった。


「何のことか知りませんけど、部署の女性の暁さんへの態度。あなた方が元凶ならとっととその誤解解いといてあげて下さいね」



気付いてて、くれたんだ......



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