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最後の恋は甘めの味で

第15章 振る

ぎぃっと音がし、開きそうになる扉を再度抑える。


あれだけあからさまにされれば誰だって気付く。


そうだそうだ!


自分に言い聞かせることで平常心を保つ。


「で、でも!」

「でももすったもないんですよ。俺が、気分悪い。自分のす」


爆弾発言をしようとする上條くんの口をすかさず抑える。


「仕事の関係でちょっと上條くんにいわなきゃいけないことがあるの!ごめんだけど、借りるね!噂についてはそんなに怒ってないから!じゃあ!!」


ピクッと上條くんが最初の文に反応したのが分かったが、そんなことは無視し、私は上條くんを引っ張ってその場を去ったのだった。

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