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上條くんを見るとぶっすーと不機嫌そうに顔を歪ませていた。


あの言葉はそんなに不機嫌にさせるものだったのだろうか。


「大体、メールで呼び出しといて帰ろうとするってどうなんですか」

「だ、だって！上條くん、忙しそうだったし.....」

「あれのどこが忙しいんですか。ああいう時は、私が先約だから、とでも言って連れ出してくれるのが普通でしょう？」


ごもっとも。


私の言葉は全て、この状況を作りたくなかった言い訳にしか聞こえないのだろう。


決心をしたと言ってもやっぱり揺らぐ弱い心。


でも、もう逃げないって決めたんだ。


しっかり、断らなきゃ。


上を少し見て上條くんを見据える。


「......呼び出した本当の要件はなんですか？」


上條くんの目ももう覚悟を決めたものだった。