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最後の恋は甘めの味で

第3章 居酒屋

その瞳は魅了されるくらい黒目がちで吸い込まれそうになる。


それを悟られぬよう口を開く。


「........なによ」


「顔、赤いなーと思いまして」

「そりゃあ....あなたみたいにお酒強い訳じゃないからね」


「え.....」


上條くんの目が大きく見開かれ驚いたのが分かった。



「嘘でしょ?」



この男はこんな些細な嘘を私がつくとでも思ってるのかしら。


「この嘘をつく利益ってなんなの?」


「俺に心配される」


堂々と言い張る上條くん。


あんたは何様よ....



「そんな特典こっちから願い下げよ」


「なかなかの特典なんだけどなー....っていうかだったらもっと早く言って下さいよ。無理して俺に合わせなくても」

「バカ言いなさい。これも付き合いってもんよ」



それに私にだってプライドの一つや二つくらいある。


後輩が飲んでるのに私だけ烏龍茶とか飲めないわ。


「.......暁さん。次の2杯俺飲みます」


「は?いいって言ったじゃない」

「だめです。だって結構もう顔が赤く....」

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