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最後の恋は甘めの味で

第18章 揺れ動く

そのままかける言葉が見付からず流れる沈黙。


手首を見れば上條くんが言った通り、くっきりと跡が残っていた。



......これ、どうやって明日、隠そう



包帯を両手首に巻くという案もあるけれどどう考えたって不自然すぎる。


「.......なんで逃げないんですか.....」


下げていた目線を上に上げれば、苦しそうに眉根をひそめる上條くんが見えた。


「........逃げて欲しいの?」

「当たり前じゃないですか!!」


私が怒るならまだしもなんで上條くんが怒るのか。


上條くんは乱暴に前髪をかき上げる。


「見えてるでしょ?俺の興奮!このままだったら俺、本当に抱いちまう......」


さっきまで強姦じゃないとか言ってた男とは思えないほど


上條くんは弱々しい顔で.....






思わず私はその頬に










手を添えた








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