最後の恋は甘めの味で
第18章 揺れ動く
「違う!!!!」
気付けば、私は大声を上げていた。
外に人がいたら聞こえてしまうのも気にせず。
整えたはずの息もまた上がっていて、熱いものが涙腺へと集まる。
なんで、泣くのよ.....
歯を食いしばり、断固として出さないようにしていると、上條くんの手が優しく私の頭を撫でた。
「そうですよ。違います。分かってるじゃないですか」
宥めるように優しい声音で。
気付けば、涙が流れていた。
「貴女はもう旦那さんと別れてるんです。旦那さんに負い目を感じる必要はないんです」
頭を撫でていた手は頬に行き、涙をすくう。
上條くんの1つ1つの行動には優しさしかなくて心が揺れ動く。