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最後の恋は甘めの味で

第3章 居酒屋

声を出せないままでいると、上條くんはにこりと微笑み、私の耳元に寄ってきた。





「そんな無防備なら俺、明日から容赦しませんよ?」





色気を含んだ吐息と一緒に耳に届くその言葉。


意味を考える前に熱を帯びる体。



嫌で、体を自分の手で抱き締める。


やめて....こんな熱



体は意志とは反対にどんどん熱を帯びていった。



私の耳には嫌と言うほどさっきの言葉と吐息が残っていた。



なのに私は意味を問うことさえもできないでいる。




「.........」



そのまま沈黙を続けていると上條くんの体が離れた気配を感じ、顔を上げる。




「.........暁さん、今日のところは見逃します。でも同じこともう一回したら......俺、止めることやめるんで」


そう言い終わると上條くんは、さっさと帰る準備をし始めた。


思考停止中の私は身動きひとつできずにその姿を見守った。

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